交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
(でも、ここへ連れてきていないだけで、きっとほかの高級レストランを使っていたんだろうな)
外資系超高級ホテルの最上階にありそうなレストランを。御曹司の吉鷹なら、そんな店はいくらでも知っているだろう。手札はたくさんあるはず。
(……って、そんなことどうでもいいじゃない)
ふと我に返り、吉鷹の女性関係にあれこれ考えを巡らせる自分を制した。
「茉莉花こそ、いろんな場所に連れてもらってきただろう?」
「それは男性に、という意味ですか?」
「まあね」
「ご想像にお任せします」
弱みを握られそうで、正直に恋愛経験がないとは言いたくなかった。華々しい恋愛遍歴を重ねていそうな彼に対する、ささやかなプライドでもある。
「今は仕事が恋人なので」
これは本当だ。
「茉莉花は、どうして今の仕事を?」