交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
極上肉を振る舞われた食事はとてもおいしかった。吉鷹と過ごした数時間は嫌ではなかった。それどころか――。
(楽しかったなんて、私どうかしてる)
慌てて頭を振る。
「……まだお答えできません」
「なぜ。料理が気に入らなかったか?」
「あんなにおいしいお肉は初めて食べました」
「俺が不快な思いをさせたか?」
この数時間を瞬時に思い返す。
しかし彼は、茉莉花が嫌悪感を抱くような態度はとっていない。結愛から聞かされ、茉莉花が抱いた傲慢な印象もそこまでひどくなかった。むしろ優しさを感じさせる場面があったと言ってもいい。
大きな会社を背負う、頼もしさも垣間見た。
「いいえ」
でもだからといって、すぐに結婚に直結するといったらそうではない。なにしろそこに愛が存在していないのだから。
「それでも決心できないとすれば仕方ない」