交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
諦めると言うのかと思いきや、吉鷹は新たな一手を繰り出してきた。
「キミのお父様、設計事務所をやっているだろう?」
「……どうしてそれを?」
「妻にと考えている人物の身辺調査は必要だ」
大企業の御曹司なら、たしかにそうだろう。家族の職業調査はもちろん、法を犯していたら一大事だ。
「伏見設計事務所は、観月建設の下請けでもある」
「……え?」
心臓が嫌な音を立てた。不敵な笑みを浮かべた吉鷹が、なにを言おうとしているのかが手に取るようにわかる。
「キミのお父様の事務所が安泰であるためにも、俺との結婚を選ぶのが最善だと思わないか?」
「父の事務所を巻き込むなんてひどいです」
笑顔の吉鷹に毅然と返す。
「ほしいものが目の前にあれば、なんとしても手に入れたいと思うのは自然じゃないか。これまで、少なくとも仕事ではそうしてきた」