交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「じつは今日の午前中、吉鷹さんのご両親にもお会いして、私との結婚を了承してもらったばかりなの」


心から祝福とはいかないかもしれないが、少なくとも反対はされていない。


「……だが、茉莉花が苦労するんじゃないか?」
「それでしたらご心配に及びません。全方向から私がお守りいたします。茉莉花さんが嫌な想いをするような事態には絶対にさせません」


吉鷹の言葉を聞き、哲郎が唸りながら思案する。眉の皺はさらに深く刻まれ、その隣で和美も沈痛そうな面持ちだ。

反対されている局面で不謹慎かもしれないが、そこまで心配してもらえるのはとてもありがたいこと。ここで了承を覆されると困るが、ひっそりと〝ありがとう〟の念を送る。


「茉莉花さん以外の女性は考えられません。どうかご心配なさらず、私にお任せくださいませんか」


吉鷹は清々しいほどの宣誓をした。
結婚を許してもらうためだけの言葉だとわかっているのに、吉鷹が振りかざした愛が、茉莉花の鼓動を乱れさせる。

(べつに深い意味はないんだから。彼が今ほしいのは妻であって私じゃないの)
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