黒い龍は小さな華を溺愛する。


「ビビんなよ。こいつにそんな勇気ねえだろ?」


この声……本当に相羽くんなの?


こんなセリフ言うはずがないと、これは悪夢なんじゃないかと思った。


カシャッ


すると突然、スマホのカメラのシャッター音が聞こえた。


私の体を……撮ってる!?



「やだっ!」


大きく暴れるとさらに力強く腕を掴まれ、紙袋の上から顔を押さえつけられた。


「てめぇ、騒ぐんじゃねーよっ!」


顔が痛い!


呼吸が……できない、苦しい……。



「なあ……ちょっとぐらい触っても良くね?」


「……だな」


荒々しく体を触られ、私は痛みのあまり自然と涙が出た。


「 ううっ……」


泣いたって仕方がないのに。

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