愚かな男を愛したセリーナ
 はぁ、とため息をついたギルド長は、二年前の真実をセドリックに伝えた。セリーナはアイラの欠点を補うように、時々入れ替わっていたことを。アイラを守るために、そのことは秘密にしていたことを。

「それは……本当なのか? 俺は、なんてことを」
「セリーナがお前の前から、どうして黙って消えたのか思い当たる節はあるんだろう」
「あ、あぁ」
「だったら、探し出して何を言うつもりだ」
「あ、謝るよ。セリーナに、俺は、謝って、それから……」
「それからどうするのがいいか、考えてみろ。ったく、お前みたいなクズ男にセリーナはもったいないな」

 そう言いながらも、ギルド長はセドリックの肩を叩く。ハッとして顔をあげたセドリックは、問いかけに応えるように二度、三度瞬きをした後、覚悟を決めたように頷いた。

「あぁ。そうだな。もったいないが、俺にはセリーナしかいない」

 セドリックは拳を握ると、決意して胸を叩いた。

「ギルド長、教えてくれてありがとう。目が覚めたよ……」
「あぁ、間違えるなよ」
「大丈夫だ」

 セドリックは垂れていた前髪をかき上げると、瞳を光らせた。

「セリーナ、待っていてくれ。もう、迷わないから」





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