ツインソウル
静寂の中、緋沙子は智樹が外した腕時計を見ながら(ずっと昔に同じことがあったような気がする……)と思った。
いつの記憶かわからないが拘束されている自分を解放してもらったことがあったような気がする。
それもやはり智樹だと思う。
緋沙子は今まで生きてきた中で一番自由な自分を感じた。胸がいっぱいになってきて涙があふれてくる。
いつもいつも眠っている自分を起こさないで欲しいと願ってきたはずが、初めて清々しい目覚めと希望を感じられるような気がしていた。
一瞬でカタルシスが行われる。
気が付くとマンションを出て走っていた。
直感の命ずるまま走る。アルコールのせいなのだろうか。走る身体が軽い。しばらく走ると交差点で智樹が立ち止まっているのが見えた。
「奥田さん!」
出来るだけ大きな声で緋沙子は呼んだ。
智樹のゆっくり振り返る様がスローモーションのように見えた。
「吉野さん……」
息を切らして緋沙子は智樹にたどり着いた。
「こんなになって……」
相当な距離を走っていたらしく止まった時には膝が笑っているようなガクガクと、まともに歩けない状態で緋沙子は道路に手をついてしまった。
緋沙子の身体を支え智樹は担ぐように起こした。
「どうしてもまた会いたくなって」
「僕もさよならを言ったのに戻ってしまいそうになっていたところです」
静かな笑みを浮かべる智樹を真正面から緋沙子は見つめた。さっきの智樹の言葉が身体の中を駆け巡る。
『もし今度会ったら抱いてしまうかもしれない』
智樹は察したのだろうか。
「どうしましょう」
「さっきの言葉のままに……」
緋沙子は渇いた喉から振り絞るように言った。
軽く智樹は頷きながら「僕のところに来ますか?」と、聞いてくる。緋沙子も頷いた。
「そのままで平気ですか。吉野さんのうちに戻ってもいいですよ。」
夢中で走ってきた緋沙子は手ぶらで家の鍵すらかけていないことに気が付いた。
「開けっ放し……」
笑って智樹は緋沙子の手を取り、もと来た道を引き返した。
緋沙子は荷物を持ち鍵をかける。
カチャリと鍵を回した瞬間に今までの自分の世界が完成し、そして新たな旅立ちの始まりを感じた。
いつの記憶かわからないが拘束されている自分を解放してもらったことがあったような気がする。
それもやはり智樹だと思う。
緋沙子は今まで生きてきた中で一番自由な自分を感じた。胸がいっぱいになってきて涙があふれてくる。
いつもいつも眠っている自分を起こさないで欲しいと願ってきたはずが、初めて清々しい目覚めと希望を感じられるような気がしていた。
一瞬でカタルシスが行われる。
気が付くとマンションを出て走っていた。
直感の命ずるまま走る。アルコールのせいなのだろうか。走る身体が軽い。しばらく走ると交差点で智樹が立ち止まっているのが見えた。
「奥田さん!」
出来るだけ大きな声で緋沙子は呼んだ。
智樹のゆっくり振り返る様がスローモーションのように見えた。
「吉野さん……」
息を切らして緋沙子は智樹にたどり着いた。
「こんなになって……」
相当な距離を走っていたらしく止まった時には膝が笑っているようなガクガクと、まともに歩けない状態で緋沙子は道路に手をついてしまった。
緋沙子の身体を支え智樹は担ぐように起こした。
「どうしてもまた会いたくなって」
「僕もさよならを言ったのに戻ってしまいそうになっていたところです」
静かな笑みを浮かべる智樹を真正面から緋沙子は見つめた。さっきの智樹の言葉が身体の中を駆け巡る。
『もし今度会ったら抱いてしまうかもしれない』
智樹は察したのだろうか。
「どうしましょう」
「さっきの言葉のままに……」
緋沙子は渇いた喉から振り絞るように言った。
軽く智樹は頷きながら「僕のところに来ますか?」と、聞いてくる。緋沙子も頷いた。
「そのままで平気ですか。吉野さんのうちに戻ってもいいですよ。」
夢中で走ってきた緋沙子は手ぶらで家の鍵すらかけていないことに気が付いた。
「開けっ放し……」
笑って智樹は緋沙子の手を取り、もと来た道を引き返した。
緋沙子は荷物を持ち鍵をかける。
カチャリと鍵を回した瞬間に今までの自分の世界が完成し、そして新たな旅立ちの始まりを感じた。