身代わり少女は主人を慕う
「よかった!間に合った!」

私は喜びながら、家まで走って、扉を開けた。

「お父ちゃん!お母ちゃん!」

だけど扉を開けた時、生臭い匂いがした。

「えっ……」

月が雲から出てきて、家の中を照らした時、私は愕然とした。


親、兄弟、みんな刺されて死んでいたからだ。

「き、きゃあああ!」

叫びに叫んで外に出ると、人買いの男が、追いかけて来ていた。

「どこだ!」

私を探す人買いに、恐怖を覚えた。

捕まったら、私も殺されるかもしれない。

私は、逃げに逃げ回った。

林の中を駆け抜け、森の中に入った。
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