身代わり少女は主人を慕う
そして、森の深くに足を踏み入れた途端に、光を見つけた。

助かった!人がいる!

私は息を切らしながら、その人の元に近づいて行った。

草がガサガサっと動いて、その人はこっちを見た。

「誰だ!」

体がビクッとなって、後ずさりをしたけれど、後ろからあの人買いの声がした。

「お願いです!助けて!」

膝をついて、助けを求めた。

「えっ……」」

その人は私を見ると、目を大きく見開いた。

「追われているんです!お願いです!」

私が再度お願いすると、その人は後ろに隠れるようにと指示をした。

ドキドキした。

後ろの草の中にいたけれど、すぐ見つかるんじゃないかって。
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