身代わり少女は主人を慕う
そして私は、人買いと一緒に、歩き出した。

その時だった。

後ろから、私を呼ぶはやての声が聞こえた。

「うた!行くな、うた!!」

「はやて!」

走ってこっちに向かってくるはやてに、人買いは向かって行った。

「小僧!諦めな!」

人買いは、はやてを突き飛ばした。

「痛え!やい、こら!うたを返せ!」

「はっ!おまえに何ができるんだよ!今すぐ銭でも、この家族に用意できるのか?」

はやては、黙ってしまった。

「貧しいおまえに、デキる訳ないだろう。早くあっちへ行け!」

人買いは、手を振り払うと、私の元へ戻って来た。
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