身代わり少女は主人を慕う
「行くぞ、お嬢ちゃん。」

私は、倒れているはやてから、目が離せなかった。

「やめておけ。家族をまた、貧乏にさせる気か?」

人買いの言葉に、私は目をぎゅっとつぶった。

そうだ、家族の為だ。

私は、自分にそう言い聞かせると、人買いの背中を追った。


街への道は遠くて、その日の夜は、小さな宿場町に泊まる事になった。

出された夕飯は、それは豪華で、見た事もないような料理が、目の前に広がった。

私は、いただきますと言うと、急いで白い飯を口の中に、かき込んだ。

「おい、慌てると喉に詰まらせるぞ。」

人買いにそう言われ、私は口の中にかき込むのを止めた。

「食事の後は、風呂入って来い。気合入れて、体を洗えよ。」
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