身代わり少女は主人を慕う
「音羽さん。今日、一緒に帰らない?」

「え、ええ。」

私は立ち上がると、その方の近くに寄って行った。

「じゃあ、行きましょう。」

そして学校の門をくぐると、外で志麻さんが待っていてくれた。

「お嬢様。」

志麻さんは私に駆け寄って来た。

「お帰りの道、覚えていらっしゃらないと思って、お迎えにあがりました。」

「それは、ありがとう。」

私は後ろを振り返った。

一緒に帰ろうと言ってくれた、女子達が私を待っている。

「音羽さん、迎えが来ていたんですね。じゃあ、また明日。」

「また、明日……」

私は手を振って、その女子達を見送った。


「あまり、同じ教室の方とは、仲良くならないようになさって下さい。」

「ええ!どうして?」

「お嬢様が、あまり友達を作らない方なんです。急にお友達ができたら、帰って来た時に驚かれるでしょう。」
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