超絶イケメンな幼なじみに、めちゃくちゃ愛されちゃってます♡
今、“好き”って聞こえた気がするのだけど……?
いきなりのことで状況がよくわからずきょとんとしてしまう。
状況を把握しようと目線をチラチラ動かすと、教室の後ろのドアのところから、関戸くんとか他の男子が少しだけ顔をのぞかせているのが見えた。
まるで清水くんを見守っているかのような感じ。
その横を他のクラスの生徒たちが、キャッキャッっていう楽しそうな笑い声であたし達を見ながら通り過ぎていく。
それで、やっと、今、あたし、清水くんに告白されたんだってわかった。
「あ、えっと……」
だったら早くお返事をしないと。
いつもの……“ありがとうございます”とそれから……“ごめんなさい。あたし、好きな人がいるんです”
言いにくくて仕方がないその言葉たち。
それを口にする前に、清水くんはあたしの顔の前に、急いで両手を突き出した。
「でも返事は今度でいいから。森から聞いたと思うけど、軽井沢のときとかで、全然いいから。だからそれまで考えて。僕のことを男として、乃愛ちゃん、ちゃんと考えて」
「……あ、うん。ありがとう」
いつもなら、返事は今度でもいいって言われても、きちんとその場でお断りをするのだけど、今回は、清水くんの告白が意外すぎたのと、学食に向かって走ろうとしていたときだったのと、それまで王河のことを考えていたのとで、思考がなんだか停止してしまった。