総長は、甘くて危険な吸血鬼

「つか、なんかさっきボスが幹部引き連れて出てったけどお前なんか知ってる?」

「ボスが?」

「ま俺なんかが知っても意味ないんだけどさ、あまりにも急いでるし幹部勢揃いだったからなんかあんのかなーって」

「…」

「ってヤバ俺も急いでるんだわ。曲がり角は気をつけろよーー!」

「はいはい。あとお前もな!」


風のように去っていった男が完全に居なくなったのを確認してから、九条くんは振り返った。

九条くん、普通にBSの人と喋ってるし、さっきからカードーキーみたいの使って扉開けてるし、一体どういうことなんだ。


「…もしかしたら学園が危ないかもしれねぇ」


険しい顔をしたままそう言った九条くん。

学園が危ない…?


『え…でも、朔って私のことを探してたんだよね?私はここにいるのに何で学園に?』

「いずれ叶兎達は胡桃を助けに必ずここに乗り込んでくる。…これは俺の憶測だけど、邪魔な存在がいたら先に手を打っておこうと考えてもおかしくねぇ」


…もしかして、だから部屋の前にも廊下にも全然見張りがいなかったのか…!?

おかしいとは思った。舐められてるにしてもいくらなんでも見張りが手薄すぎたから。


…でも、みんな強いしきっと大丈夫だよね…?

BSの幹部?と朔がどれだけ強いのか知らないけど、WhiteLilyのみんなの強さは知ってる。

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