総長は、甘くて危険な吸血鬼
『私も一緒に行く!!』
「は?お前が1番狙われてんだぞ連れてくわけねぇだろ」
『私が側にいたら、朔の能力も弱まるんでしょ?』
純混血の私にしか出来ないこと。
九条くんは、叶兎くんと朔は能力の相性が悪いと言っていた
さっき聞いた話の限りでは、
私が側に行けば朔の能力を無効化することができるかもしれない。
「…確かに、朔を相手にするなら胡桃の力が必要かも…いや、でも…」
『足手纏いになるなら行かない。でも少しでも役に立てるなら私も協力したいの』
私だって、守られてるばっかじゃ嫌だ
叶兎くんに釣り合う人になりたい。
「あー、わかった。…力を貸してくれ。俺と一緒に来て欲しい」
九条くんは少し悩んでから改めて私に向き合ってそう言った。
自分の身を最優先に、危機を感じたらすぐ逃げること。と念を押されたけど。
声と騒ぎのする方へ駆けていくと、やがて校舎と校舎のあいだに広がる中庭にたどり着いた。
夜の静寂を打ち破るように、荒々しい声と戦う音が飛び交っている。
そこにいたのは予想通り、BSの集団。先頭には朔もいる。
そして集団を相手に戦っている叶兎くんがいた。
でもその光景は少しおかしかった
『え、なんで叶兎くんが、春流くん達と戦ってるの…?』