【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ




「……胡桃…」



ついに極限状態のストレスで幻覚まで見え始めたのかと思った。

だけど、俺が胡桃の姿を見間違えるはずがない。


でも……どうしてここに……。

BSのアジトに捕まってたんじゃ……?



『春流くん、桐葉くん、飛鳥馬くん!みんなのボスは叶兎くんでしょ!!目を覚ましてよ!!』



…!


そうか…だからさっきから3人の動きが鈍かったんだ。

近くに、胡桃が──純混血の胡桃がいたから。



「…あれ、俺たち、なんで…」



胡桃の声を聞いて、3人はゆっくりと顔を上げた。

その落ち着いた表情にはさっきまでの俺に対する敵意は感じない。


胡桃のおかげで3人が正気に戻った。

これで俺も、自由に動ける。



「何で…、オートロックは厳重にかけておいたはず…」



朔はブツブツと何か言いながら、呆然とした表情で胡桃の姿を見ていた。

捕まえたはずの相手が目の前に現れたら、そりゃそんな表情にもなるだろう。



< 274 / 406 >

この作品をシェア

pagetop