総長は、甘くて危険な吸血鬼
「キスしていい?」
『い、今?!』
我慢なんてできなかった。
胡桃の顔を見たら、触れたくてたまらなくなった。
胡桃の顎を持ち上げてじーっと見つめれば、
恥ずかしそうに目を伏せるのが愛おしい。
『べつに、わざわざ聞かなくていいのに』
まあ確かに、いつもいきなりしてたけど…
「この前怖がらせちゃったし…もう胡桃が嫌がることはしたくないから、嫌なら言って欲しくて」
また自分が抑えられなくなったらと思うと、
正直まだ胡桃に触れるのも怖い。
でも、それで俺が離れていた時に胡桃は連れ去られた
あの時俺が一緒にいたらきっと阻止できたのに。
もう離したくない。
『嫌じゃないよ。…だからそんな顔しないで』
え、俺今どんな顔してる…?
俺が胡桃を安心させてあげるべきなのに、逆に心配されてしまった。
今は相手が朔しかいないけど、胡桃が純混血ということが広がったら…どこの誰に狙われるか分からない。
次は、絶対に俺が守る。