【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
「キスしていい?」
『い、今?!』
もう、我慢なんてできなかった。
胡桃の無事な顔を見たら、愛おしくて、触れたくてたまらない。
胡桃の顎を指で持ち上げてじっと見つめると、胡桃は恥ずかしそうに長いまつ毛を伏せた。
その反応がたまらなく愛おしくて。
『べ、べつに…わざわざ聞かなくていい、よ…』
まあ確かに、いつもいきなりしてたけど…。
「この前怖がらせちゃったし…もう胡桃が嫌がることはしたくないから、嫌なら言って欲しくて」
また自分の抑えがきかなくなってしまったらと思うと、正直、今でも胡桃に触れるのが怖い。
でも、そうやって俺が怖がって離れていた隙に、胡桃は連れ去られてしまった。
あの時、俺が側にいたら絶対に阻止できたのに。
もう二度と、この手を離したくない。
『嫌じゃないよ。…だから、そんな顔しないで』
え、俺今どんな顔してる…?
俺が胡桃を安心させてあげるべきなのに、逆に心配されてしまった。
今は相手が朔しかいないけど、胡桃が純混血ということが広がったら…どこの誰に狙われるか分からない。
次は、絶対に俺が守る。