総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
「…秋斗、お前最初から知ってたよな?」
「……ごめん」
「黙ってた理由は?」
「…俺は逆にスパイとしてBSに潜入してたから、お互いに正体をバラされることが弱みになってて言えなかった。学園に戻ってきてからは話そうか何度も考えたけど…White Lillyとしてのこの日常を壊したくなかった。」
秋斗の声音に滲む悔恨は、嘘じゃない。
……まあ、分からなくはない。
俺だって想像してなかった。こんなふうに一気に崩れるなんて。
「…そう」
余計な言葉を投げても仕方ない。
だから胸に渦巻く感情はぐっと押し殺し、表情を崩さず返した。
俺がもっと怒ると思っていたのだろう。
秋斗が「それだけ…?」と言いたげに顔を上げる。
「…まあ、胡桃は無事に戻ってきてくれたしもうとやかく言うつもりないから。」
無事に戻ってきたとはいえ危険に晒したことは事実なので、事の発端の天音を完全に許すつもりはないけど。
…でも、せめて理由ぐらいは知りたいかな。
次会ったらそれも本人に話させる。
「ひとまず今からアジトに戻って作戦を立てる。話はそれから」
学園にいるよりもアジトの方が安全だ
また学園に押しかけてこられても困るし。
俺は前と同じように胡桃を後ろに乗せて、バイクを走らせた。