【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ
「“吸血鬼と純混血の規則に則り、ここに契約を誓います”」
ふわ、と指輪から淡い光が放たれる。
思わず息を呑んだ。
柔らかな光の輝きが部屋全体を満たしていき、まるで私たち二人を祝福するように、温かく優しく包み込んでいく。
徐々に光の強さが増していき、私は眩しさに思わずそっと目を閉じた。
少しして、静まり返った部屋の中でゆっくりと瞼を開く。
自分自身の身体に特に変化を感じるわけではないけど……。
周囲の部屋の風景はさっきと全く同じはずなのに、なぜか世界全体がほんの少し違って見えるような、不思議な感覚があった。
ふと胸元に視線を落とすと、さっきまで綺麗な銀色だった指輪が、眩しいほどの『金色』へと変化していた。
『って、わっ、』
不意に叶兎くんがものすごい勢いで抱きついてきて、私はそのままベッドの上に押し倒された。
全身に叶兎くんの体重がずっしりとのしかかっていて、『苦しいよ!』と言いたいのに、嬉しすぎて笑いがこぼれてしまう。
「これで……遠慮なく胡桃に触れる」
『ちょ、重い!』
そうやってジタバタと抗議してみても、叶兎くんは「やだ」とばかりにギューッと強く抱きしめたまま、絶対に離れてくれない。
…なにかの大型犬……?
普段ツンツンしている時は猫みたいなのに、こうやって私には甘えてくるところは大きなワンちゃんみたいで、たまらなく可愛い。