【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ



その時。

──ゴンゴンゴンゴンッ!!と、ドアの向こうから激しいノック音が響き渡った。



「叶兎!!いる!?」



部屋の中に響き渡ったのは、流風くんの緊迫した声だった。

明らかに普通のノックの勢いではなく、ものすごい大声で焦っている様子が嫌でも伝わってくる。



「……ちっ、今良い雰囲気だったのに」



叶兎くんはあからさまにムッとした表情になり、不機嫌そうに舌打ちをした。

あまりの勢いに私の心臓もドキンと跳ね上がり、甘かった空気が一瞬で現実に引き戻される。


流石に無視できるような雰囲気ではないため、叶兎くんは身体を起こすと、渋々といった様子でドアの方へ歩いて行った。


ふぅ……。

ようやく心臓を落ち着かせる時間ができて、私はホッと息を吐いた。


ガチャンとドアが開けられると、流風くんは開口一番、叶兎くんの肩をガシッと掴んで叫ぶ。



「BSの副総長が来てる…!!」

「………は?」



一瞬で空気が張り詰めた。


流風くんの焦りをみて只事ではないと察していたけど…。

BSの副総長が…?何故…?



「今どこにいる」

「入り口前で足止めしてる、1人で来たっぽいし本人は争いに来たわけじゃないって言ってたけど…」

「俺が行く。流風は胡桃の側にいて」




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