【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ



部屋の中には、生徒会寮のロビーと同じように、四方をソファで囲んだ正方形の空間があった。


私の両隣に叶兎くんと流風くん、その向かい側に桐葉くんたち。

そして正面には、BSの副総長…蓮水さんが座った。



「で? わざわざ敵のアジトに一人で乗り込んでくるなんて危険な真似してまで、話したい大事なことって何」



叶兎くんの言ってることは正論だった。

White Lillyのみんなは根が優しくて誠実だから、こうして敵の話にも耳を傾けているけど…普通なら敵の副総長がたった一人で現れたら、その隙に叩きのめして拘束しようと考えるはずだ。


正面から一人でここに来られた蓮水さんの度胸も、正直言って異常だと思う。



……ところで。

さっきから気になって仕方がないことがある。

少し離れた場所にある別の小さなテーブルで、無邪気にお菓子を頬張っている子供たち。



あの……あの子たち、一体だれ……!?


おそらく蓮水さんと一緒に来ていたけど……緊迫した空気とのギャップが凄すぎて、ますます状況が読めなくなってしまう。



「うちの総長…朔がここ最近おかしくなったのは知ってるよな?」



重苦しい空気の中、蓮水さんが静かに口を開いた。



「へぇ、BSのお前にもその認識あったんだ。」

「俺は操られてないからな。…朔は自分の血を飲ませて他のみんなを操ってる。俺は昔から仲が良かったから能力を使わなくても良いって判断されたのか、未だ何もされてねーけど」



…じゃあ、蓮水さんは自分の意思で朔のそばにいることを選んでるってことだよね。

蓮水さんはため息を吐いて自分の手元に視線を落とした。



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