私を、甘えさせてください
空川さんが海外出張から戻ったと聞いた次の日、さすがに会うのは避けられないと覚悟した。
お手洗いの鏡に写る自分を見て、いつも通りだろうかと気になった。
振り回されて、疲れているように見えるのは嫌だから。
うん・・多分、大丈夫。
その日は、各課が推進しているプロジェクトの本部長報告の日で、当然、管理職は出席が必須だった。
「美月、平気か?」
「うん、仕事だからね。平気」
井川が隣から、小声で話しかけてくる。
私はいつも通り、用意したスライドを投影しながら報告した。
特にその内容自体には指摘も無く、本部長としてのコメントが追加された。
「永田課長、人材開発2課に外国籍のメンバーを加えることを検討してくれないか」
「はい・・外国籍と仰いますと、例えばどの国でしょうか。人数の目安もあると助かります」
「いくつか候補があるんだ。あとで資料を送るから、早めに目を通しておいて」
「承知しました」
これくらいなら、大丈夫だ。
相手が誰であろうと、それがたとえ恋人でも、別れた元カレでもだ。
ただ・・・・自分の番が終わると、途端に心が揺れだす。
各課の報告を聞いている空川さんを見ているだけで、涙が出そうになった。
なぜ?
どうして?
横顔に問いかける。
けれど。
久しぶりに見た空川さんは、初めて会った時のように、私の目を惹きつけた。
光沢のあるグレーのスーツ。
濃いブルーのネクタイ。
ロンドンスドライプのシャツ。
ダークブラウンの靴。
・・・・変わったのは、私の気持ちだけだろうか。
『じゃあ、今日は以上で』
進行役の言葉を合図に、全員が席を立った。
お手洗いの鏡に写る自分を見て、いつも通りだろうかと気になった。
振り回されて、疲れているように見えるのは嫌だから。
うん・・多分、大丈夫。
その日は、各課が推進しているプロジェクトの本部長報告の日で、当然、管理職は出席が必須だった。
「美月、平気か?」
「うん、仕事だからね。平気」
井川が隣から、小声で話しかけてくる。
私はいつも通り、用意したスライドを投影しながら報告した。
特にその内容自体には指摘も無く、本部長としてのコメントが追加された。
「永田課長、人材開発2課に外国籍のメンバーを加えることを検討してくれないか」
「はい・・外国籍と仰いますと、例えばどの国でしょうか。人数の目安もあると助かります」
「いくつか候補があるんだ。あとで資料を送るから、早めに目を通しておいて」
「承知しました」
これくらいなら、大丈夫だ。
相手が誰であろうと、それがたとえ恋人でも、別れた元カレでもだ。
ただ・・・・自分の番が終わると、途端に心が揺れだす。
各課の報告を聞いている空川さんを見ているだけで、涙が出そうになった。
なぜ?
どうして?
横顔に問いかける。
けれど。
久しぶりに見た空川さんは、初めて会った時のように、私の目を惹きつけた。
光沢のあるグレーのスーツ。
濃いブルーのネクタイ。
ロンドンスドライプのシャツ。
ダークブラウンの靴。
・・・・変わったのは、私の気持ちだけだろうか。
『じゃあ、今日は以上で』
進行役の言葉を合図に、全員が席を立った。