貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 かしましいメイドたちに、料理が好きすぎるアウグストとその妻ベス。そしてエセルと、獣人たちに踏み込んだ結果、人間に冷たく当たるゲルハルトが一番まともに見えてしまう。

(まあ、ベスはまともって言っても……。でもあのアウグストを〝ふわふわちゃん〟って呼んでたわ。やっぱりまともじゃないかもしれない)

 見上げるような強面の大男をそう呼べるのは、世界広しと言えどベスぐらいだろう。

「褒め言葉として受け取っておきましょう。お互い、仲良くやっていきたいですからね」

「私がうまくやれなくても怒らないでくれる?」

 エセルは微笑しただけで怒るとも怒らないとも明言しない。

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