政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
お義母様の専属運転手の方に自宅近くまで送り届けてもらい、自宅マンション近くのパティスリーに立ち寄った。
拓人さんが不在だから、抹茶ムースのケーキを自分の分だけ買い求める。
ショーケースの中のスイーツを眺めながら、頭の中にはお義母様からの言葉がぐるぐるしていた。
『子作りする時間もロクに取れないのかもしれないって思っていたの』
『その様子なら、夫婦仲は大丈夫そうね』
『焦らずね。私たちも嬉しい知らせを心待ちにしてるわ』
思い出し、思わず小さくため息をついていた。
孫の誕生を心待ちにしている拓人さんのご両親。
でも、その期待に応えられる日はいつ来るのか……。いや、いつというより、この先来るのかな……?
そんなことを思ってしまうのは、拓人さんと私の夫婦関係にある。
お義母様には到底言えない、わたしたち夫婦の事情……。
それは、私たちがセックスレスだということだ。