政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


 全く理解に苦しむ内容をさらさらと当たり前のように喋られ、驚きと恐怖で声が出せない。


「スワッピングって聞いたことある? 夫婦を交換してお互い別のパートナーと関係を持つんだけど、より夫婦仲も良くなるらしいんだ。でも、俺は茉莉花さんを抱いたら、あなたにもっと本気になっちゃいそうだな」


 いつも爽やかで穏やかな印象しかなかった隆史さんが、妖しい笑みを浮かべて私に覆いかぶさる。


「ぃやっ、やめてください!」


 拓人さんとは違う香水が濃く香り、全身が総毛立つ。ローブの裾からおもむろに入ってきた手に太腿を撫でられ息が止まりかけた。


「離してっ、いや──」


 体をよじってなんとか逃げ出そうとしていた、そんな時だった。

 音を立てて勢いよく個室のドアが開け放たれる。


「茉莉花!」


 私を呼ぶ愛しい声と、飛び込むようにして入ってきた姿に一際大きく鼓動が音を立てた。


「待って! 拓人!」


 入ってきた拓人さんを後から追うようにして、早苗さんが彼の腕を引き留めるように掴む。

 拓人さんは早苗さんに振り返ることもせずその腕を振り払った。

< 114 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop