政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「あの……本当に、もう早苗さんの会社とは……?」
「ああ、もちろんだ。茉莉花にこんな思いをさせた相手と取引はできない」
「はい。でも……お友達で、信頼があったから、提携の話だって今日まで進んできたと思いますし、なんというか、複雑で」
古くからの友人で、プリリュの代表として実績もある早苗さんだから、拓人さんは信頼してタッグを組もうとしたはずだ。
それが、こんな形でだめになってしまうなんて、いいのだろうかと思ってしまう。
「茉莉花」
体を少し離し、拓人さんが私の顔を覗き込む。
目が合うと柔和な微笑を浮かべた。
「俺にとって、何より大切なのは茉莉花だ。そこが大前提。茉莉花があんな目に遭ってまでビジネスを共にする気はさらさらない。もちろん、今後の友人としての関係も」
はっきりとした口調で拓人さんは言い切る。
「だから、もう何も心配しなくていい」
私を思って拓人さんが下した判断に、これ以上意見するのはやめようと心にストンとくる。
「わかりました」
そう返事をして、弱弱しくも笑みを浮かべて見せた。