政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


「もう少しあとにしますか?」

「いや、大丈夫だ。気にしなくていい」

「そうですか?」


 夕飯を並べても問題ないと言われ、テーブルセッティングしておいたダイニングテーブルにビーフシチューに焼き立てパン、サラダを出していく。

 拓人さんは「今日も美味そうだな」と言って席についた。


「いただきます」


 早速ビーフシチューから口にした拓人さんは、「美味い」と言ってくれる。

 正式に婚約が決まる少し前から、拓人さんとの新婚生活に向けて料理教室に通い始めた。

 それまであまり料理をしたことがなかったこともあり、基礎から学ぶのはなかなか時間がかかった。

 今でも教室には通い、食卓を彩れるように様々な料理を習い続けている。

 そんな私が作る料理でも、いつも拓人さんは出した料理を美味しいと食べてくれる。

 私には家で食事を用意して待っていることしかできないから、外で忙しく働いて帰宅する拓人さんに、いつでも美味しい料理を用意していたい。

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