政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
拓人さんに「おいで」と呼ばれ、ソファ席に並んでかける。ライトアップされた涼し気なプールの水面に視線を泳がせた。
「拓人さん」
「茉莉花」
気が合ってしまったらしく、同時に話を切り出そうと名前を口にする。
「どうした?」
拓人さんが気を遣って、私に先を譲ろうと訊く。
「拓人さんからどうぞ」
「茉莉花から話して。俺はあとでいい」
顔を上げて拓人さんと目が合い、ドキッと鼓動が跳ねた。
「この間のこと……」
言いかけて、せっかく拓人さんが用意してくれた楽しい時間を台無しにしてしまわないか躊躇われる。
でも、自分の中でずっと気になっていることだから謝りたい。
「もう一度、謝りたくて……この間、拓人さんの留守中に三栗谷さんを家に入れてしまったこと」
謝罪の内容を口にすると、拓人さんは一瞬わからないくらいハッとしたような表情を見せた。
「本当にごめんなさい。もし、逆の立場だったらって考えて、絶対に嫌だと思ったから。軽率でした、本当に……」
「茉莉花」
私を呼んだ拓人さんが、膝の上で組む手をそっと取る。
なぜだか「ごめん」と拓人さんが謝った。