仮面夫婦のはずが、怜悧な外科医は政略妻への独占愛を容赦しない
彼の医師としての顔は知らないけれど、きっと自信に溢れ、上司でも間違ったことは間違っていると言いそうだ。
世間はまだ出る杭は打たれる傾向にあるけれど、大知はそれすら恐れず、自分の正しいと思った道を突き進んむのだろう。あくまで想像だが。
でも、優柔不断な杏には、常に引っ張ってくれる大知の存在が頼もしく、彼にずっとついて行きたいと感じている。
結局悩みに悩んで、店おススメのパンケーキにした。運ばれてきた瞬間、杏は歓喜の声を上げる。
「わぁ、美味しそう」
目はキラキラと輝き、心から喜んでいるのがわかる。そんな杏を、大知が隣で愛でるように見ている。
「食べようか」
「はい。いただいきます」
ウキウキしながら、さっそくナイフを入れ口に頬張ると、程よく甘くて、柔らかな食感が口の中に広がった。
「ん~、美味しい」
足踏みしたくなる美味しさだった。
それ以外にも、ハワイアンプレートに、ガーリックシュリンプ、BⅬTサンドウィッチなどが次々に届いた。
淡々と注文する大知の隣で、こんなに食べられるのかと少し心配していたが、大知は腹ペコだったようで、それらをあっさり平らげてしまった。