仮面夫婦のはずが、怜悧な外科医は政略妻への独占愛を容赦しない
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「やっ、待って……大知さん!」
杏が腕の中で抗議の声を上げる。だがそんな言葉聞いてあげられる余裕はもうない。
大知は杏を抱き上げ寝室に連れて行くと、ベッドに下ろしそのまま組み敷いた。
突然のことにまだ覚悟が決まらないのか、オロオロとしている。でもそれがまた可愛くていじらしくて、たまらない。ずっと眺めていたいくらいだ。
「あの、せめてシャワーくらい……」
「いいよ、そんなの」
もう待てないと言わんばかりに、着ていたYシャツのボタンをむしり取る。今から何が始まるか、さすがに杏もわかっているようだ。
目はわずかに潤み緊張しているようにもみえるが、期待しているのもわかる。
「なぁ、杏からも聞かせて」
そっと杏の首元に唇を寄せると、甘く囁く。
「な、何をですか!?」
「好きだと」
そう言えば、杏の顔が一気に真っ赤になった。それを恥ずかしそうに両手で覆い隠す。
「言えと言われると、ちょっと……」
「俺は聞きたい」
そんな言葉をかけながら、杏の服をどんどん脱がせていく。シャツのボタンを外し、そっと腕から引きぬく。履いていたスカーのホックを外すと、一気に下ろした。