仮面夫婦のはずが、怜悧な外科医は政略妻への独占愛を容赦しない

 杏の白い体は快感を与えられるたびに桜色に染まり、それが大知をさらに夢中にさせるスパイスになった。

 一昨夜 、破瓜(はか)の痛みを知ったばかりとは思えないほど感度がよく、全身をくねらせ、何度も達しているようだった。それを目の当たりにするたび息をのみ、興奮が増した。

「杏、いいか?」

 息も絶え絶えなる杏の両足を肩に担いだまま、大知が切なそうな声をあげる。もう入りたくて仕方ないのだ。

「はい……もう、大知さんとひとつになりたいです」
「あんまりかわいいこと言うと、収拾つかなくなるぞ」

 口の端をわずかに上げ微笑んで、じわじわと腰を押し進めてくる。

「……大知さんになら、なにをされても平気です」

 杏にこんな不埒な言葉を言わせていることすら、ダメな気がしてならない。

 背徳感? いや、優越感? どれも違う。そんな単純なもので、カテゴライズできない。

「首に掴まって。俺だけ見てろ」

 杏の両腕を自分の首に巻きつけると、ゆっくりと挿入した。

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