仮面夫婦のはずが、怜悧な外科医は政略妻への独占愛を容赦しない
「あぁっ……」
杏の口から、甘ったるい声が漏れる。
「はっ、中熱い。どろどろ」
「いっ、言わないでください」
恥ずかしそうに抗議の声を上げているが、昨日より気持ちよさそうだ。
しかも、今日は避妊をしていない。何の隔たりもなく、互いの熱を感じられることが、こんなにも幸せだったのかと、大知は噛みしめていた。
「杏、愛してる」
杏の頭を優しく抱え込み、耳元で甘く囁く。
「私も……」
愛しいという感情はこういうことなのだろう。
これから先、何があっても杏を守っていく。嫌だと言っても、一生離してやらない。
「あっ、だいち、さ……っんん」
「杏、可愛い」
二人で汗だくになって、抱き合った。貪りあって、囁きあって、好きと伝えあった。欠けていたものを、一つ一つ拾い集めるかのように。
「杏の中、俺でいっぱいにしていいか」
「はい……でも、待って、私も……」
連れてって。そう聞こえたのと同時に、大知は杏の中に吐精した。心から繋がれたことに、胸が温かい感情でいっぱいだ。まさに幸せの絶頂というやつだろう。
「ん……大知さん」
杏は吐き出された温かなモノを受けとめながら、意識を失ったかのように、そのまま眠りに落ちてしまった。
そんな杏の額に、優しいキスを落としたのだった。