国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
「今さらだが、本当にそこでいいのか? 凌太が楽しめるのもいいけど、玲菜が行きたいところはないのか」
「え? 私?」
「凌太の誕生日でもあるけどさ、俺たちがやり直す記念日になるかもしれないだろ」
彼は最後に「あわよくばね」と付け加えた。本当にあわよくばの勝手な願望をさらっと伝えられ、私は「なにそれ」と笑う。
「だから玲菜にも楽しんでもらいたい」
「私の行きたいところって聞かれても思いつかないよ。凌太が喜ぶ顔が見たいし、それに久嗣が一緒ならどこだって楽しいもの」
「うわ、それズルいな」
また赤くなった久嗣に、してやったりの笑顔を向けた。
食事を終え、動きやすい私服に着替える。海沿いに行くため防寒を意識し、久嗣は冬物のブラウンのチェスターコートを選び、私も同じ色味のムートンコートを選んだ。凌太には、クマ耳のフードがついたポンチョを着せる。
「なんだそれ。かわいい」
「でしょ!? 冬になったら着せたかったの」
玄関で革靴とブーツをそれぞれ履いてさあ出発というところで、シューズラックの扉の裏にある姿見に私たち三人が映った。
「……え。三人とも茶色になっちゃった。ペアルックぽくない?」
「そうだな」
「どうしよう。恥ずかしい」
「いいじゃないかべつに」
なぜかご機嫌になる久嗣は、ベビーカーとリュックを担いで「行こう」とドアを開ける。