国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~

驚愕する彼と、ぶりっ子をしたが全然ウケず汗だくで視線を逸らす私の間に、大きく噴水が上がる。それが終わって静まってから、久嗣がゆっくりと口を開いた。

「……一桁違いはすべて試したんだ。下八桁を一つずつ九通りで七十二通り。ついでにゼロ九ゼロでもやってみたから百四十四通り。でも、二桁違ったら、どうにもできない……」

呆然としながらボソボソとつぶやいているが、なにを言っているのか私にはわからない。しかし私にもミスはあったが、結婚してからのことは久嗣も悪いはずだ。そこを追及しようと思い「でもっ」と遮って声を上げる。

「出張ばかりしていたのは、私と顔を合わせたくなかったからでしょう?」

私の喧嘩腰の質問に、久嗣は正気に戻って睨み返してくる。

「違う!」
「なにが違うのよ!」

私は直接、噂を聞いたんだから!

「マイジェンは、キャリアの中で海外案件を規定数こなさなければならないというノルマがある。のらりくらりやっているとノルマ消化のため海外へ異動になる。国内部署を希望するなら、その前に海外案件をすべてこなしておく必要があった」
「……どういう意味?」
「親子三人で一緒にいられる環境を一歳の誕生日までに作りたかった。玲菜が言ったんだろ、そうなれなかったら離婚するって。たしかに本当はここまで出張を入れなくても、後で海外部署へ単身赴任すればノルマは消化できる。でも俺は、ふたりと離れたくなかったんだよ」
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