国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
英語のアナウンスが流れるエレベーターで急いで地上へ下りると、エントランスホールでコンシェルジュが「行ってらっしゃいませ」と頭を下げる。凌太は綺麗なお姉さんが好きで、いつもお尻が浮くほど足を動かして喜んでいる。
コンシェルジュには、私が着飾って出掛ける日は夫を迎えに行くのだとバレているだろう。恥ずかしくていつも目が合わせられない。
外へ出て、既読が付いたのを見計らい、
【でもちょうど大通りにいるから駅通るよ。凌太が喜ぶし、落ち合う?】
と追加で送った。
【いや、いいよ】
しかし久嗣からの予定外の返信に焦る。【飯も食ってくるから】【家帰ってて】と細切れの文章が送られてきた。一緒に帰るためにわざわざ家を出たのに。
最近の久嗣の文章は冷たい。必要最低限しか言葉をくれない。絵文字だって使えるはずが、いつからか私たちのやりとりは素っ気ないものになった。