国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
ベビーカーが少し揺れるくらいに急ぎ足で横断歩道を渡りきり、駅までの距離を目視で測った。ゆっくり歩いて十分弱、急げば五分以内に到着できるだろう。乗り換えからここまで、向こうもまだ五分はかかるはずだ。
【もう駅着いちゃったんだけど。凌太もパパに会えると思って喜んでるし、真っ直ぐ帰ろうよ】
凌太をダシに使う。久嗣が帰るから昼食に和食も用意したのに。ところが彼は二週間家を空けたところで、寂しいなんて思わないのだろう。帰ってすぐに食べに行くほど恋しくなったのは日本食だけ、妻と息子は後回しなのだ。
【わかった。あと七分で着く】
返事を確認してからスマホをポシェットにしまい、歩くことに集中する。七分後には、待ちくたびれたという顔で改札に立っていなければいけない。ベビーカーが揺れないよう気を付けながらの急ぎ足はふきらはぎにくる。