国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
久嗣は敵じゃないはずだ。私が離婚を切り出したらあんなに動揺していたもの。演技であそこまでできるはずない。でも、じゃあどうして出張していたの……?
疑っちゃダメだ。なにを信じたらいいかまたわからなくなる。答えが出せなくなる。
いつの間にか女性たちは去っていった。聞かなきゃよかった。さっきまで幸せな気持ちになれたと思っていたのに、またすべてが白紙に戻った気分だ。
「あれ? 玲菜ちゃん?」
そのとき、女性たちのいた隣のテラスから、さらに向こうのテーブルから声をかけられた。
聞き覚えがあるがまったく予想していなかったその声に驚いて思いきり振り向く。
「健司くん!?」
「久しぶりー」
ひらひらと手を振りながら、革ジャンにジーンズ姿の彼はこちらへやって来た。
健司くんは従兄弟で、この近くに住んでいる。アウトローな見た目だが、これでも彼も弁護士の卵なのだ。
「なにやってるの? 旦那さん待ち?」
健司くんは凌太をくしゃくしゃ撫でながら、マイジェンのビルを顎で示した。