国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
血の気が引きながら電車に揺られ、どうしたらよいのか考えてみたがもちろん答えは出なかった。
家に着き、玄関でベビーカーを畳む。
どこかに寄って食べて帰ろうなどという展開にはならなかったため、私は冷凍庫のハンバーグをキッチンへ出した。
久嗣がシャワーを浴びている間に、時間が遅くなるため凌太にベビーフードを食べさせる。
「マンマ、あー、うー」
大きな目をパチパチさせ、どこか私の様子を気にかけるような表情を向けていた。
「ごめんね、凌太……」
小さな容器ふたつ分の雑炊とおかずをペロリと平らげた。ぽっこり膨らんだお腹を撫でながら、「ごちそうさまだね」と声をかける。
「玲菜。凌太脱がせて連れてきて」
風呂場から久嗣の声がした。凌太を洗ってくれるらしい。
「あ……うん」
私があやして笑顔になっていた凌太は、脱衣場へ連れていって久嗣とお風呂に入れるのだとわかるとさらに声を上げて喜んだ。久嗣と一緒に入れるのはたまにだから、私が入れるよりも喜ぶ。なんだか悔しいし、私より懐いてしまう気がして怖い。
凌太を裸にして少し戸を開け、湯船のへりに掴まらせて久嗣へバトンタッチした。
目の前で閉じられたスモークガラスの向こうで、シャワーの音とふたりの声がし、取り残された気分になった。