クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
ゾクッとして、自分の体を抱きしめる。

私、何を浮かれてたんだろう。

逢和君が私に近づこうとしてくれるのが嬉しくて、当たり前なことに気が付かなかった。


…近づけない。

近づいちゃいけない。


私はこれ以上、

逢和君を好きになっちゃいけない。


横を向く私の目から、またほろほろと涙が漏れてしまって、枕を濡らしていく。



あぁ

逢和君とトランプ、したかったなぁ。



ありえない妄想をしながら目を閉じた時

鍵が開く音がして誰かが部屋に入ってきた。





…?

誰だろう。

忘れ物かな。

泣いてるのバレたら困るし、このまま寝たふりしよう…。





「…」




足音がヒタヒタとこちらに向かってきて、

そのまま、私の枕元で止まった。
< 69 / 204 >

この作品をシェア

pagetop