幽霊。〘透明になった日〙
まさか私に話が回ってくるとは思わなくて少し焦った…
ちらりと視線を窓際に向ける。
今日も彼は黙々と絵を描いている。

「みなみさぁ〜、好きな人とかいて協力してほしかったらいつでも言ってね」

美音がちらりと染谷くんがいる方を見た気がして、ドキリとした。

誰にも気づかれることがないくらい、私と彼には接点がない。ただのクラスメイト

けれど、諦めることはできずにいる。

「う、うん。ありがとう」
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