幽霊。〘透明になった日〙
いつか、2人に私の好きな人の事を伝えたい。けど、知られてしまったあとの事を考えると、恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。
もうすぐで席替えがある。
なるべく近くの席になりたい。
もし席が近かったら、話しかけるべきか、話しかけられるのを待つか…

けれど染谷くんとは違いすぎる。
何回も折ったスカートに、だらしなく緩めたネクタイ。ワイシャツも第2ボタンまで開けていて、髪の毛も茶色に染めていて毛先が少し傷んでしまっている。
何もかもが中途半端で、興味を持つことができない。

こんなだらしない私と、夢中になれるものを持った彼。
共通の話題なんてほとんどない。
きっと私は彼の視界に入れないだろう。

「そういえば、5組の子が言ってたけど、数学の小テスト、今日返されるらしいよ
しかも再テストの人もいるらしいよー、」
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