春色の恋−カナコ−[完]
おにいちゃんとカオリさんに挨拶をして、帰宅する両親と同じ車に乗り込もうとしたら、お母さんに拒否されてしまった。

「河合さんの車で帰りなさいね。明日も仕事でしょう?ほどほどに帰ってこればいいから」

「え?お母さん?」

レストランで着付けをしてもらったので、着物から洋服に着替え終わっていた私だけど。

荷物だけを乗せてお母さんの運転する車は、家へと帰って行ってしまった。

「じゃあ、帰ろうか?」

「…はい」

ごく自然に差し出された手をきゅっと握る。

それだけで顔がゆるんでしまう。

「素敵な結婚式だったね」

「そうですね」

ゆっくり歩き出した私たち。

外は徐々に日が暮れて夕焼けがすごくきれいで、まぶしいくらいだった。
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