春色の恋−カナコ−[完]
そんなことが言いたかったわけじゃないのに!

緊張して思わず口に出てしまった言葉に、後悔しちゃう。

『え、また作ってくれるの?うれしいよ』

それでも、河合さんは私が喜ぶ言葉をちゃんとかけてくれて。

電話を持ったまま、思わず飛び跳ねてしまった。

『…河合~』

電話の向こうで河合さんを呼ぶ声がして。

「あ、ごめんなさい。お仕事がんばってくださいね」

『こちらこそ、ごめんね。また明日連絡するから。お休み』

最後におにいちゃんにかわってから、電話を切った。

河合さん…。

洗い物の続きをして、お風呂に入って。

就職してからはいつも夜に洗濯をするようになったので、テレビをしながら洗濯が終わるのを待っていた。

寝る時間になってもおにいちゃんからは連絡がなく、きっと今夜は泊まりなんだろうな。

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