春色の恋−カナコ−[完]
自分でも、初めて人を好きになったわけじゃないのに、なんだか恥ずかしい。

これって、まるで初恋?

でも、本気でここまで誰かを好きになったことがあるのかと聞かれると、実はこれが初めてなんじゃないかと最近思うんだけど。

コーヒーを飲みながら、しばらく彼氏の話で盛り上がり。

仕事に戻ってからは集中して作業することができた。

お昼休みになり、お弁当を食べているとメールが届いて。

『おはよ。今起きました。お昼食べたら出社します』

おにいちゃんよりも少し遅く起きたようで、邪魔にならないように一言だけがんばってねと返信しておいた。

すぐに返事が返ってきて、思わず顔がにやけてしまう。

『今夜こそ電話します』

仕事が忙しかったら、無理かもしれないけど。

大きな期待はせずに、少しだけ期待して待っていよう。

午後からの仕事は、午前中の沈んだ気持ちがうそのようにはかどり、あっという間に時間になった。

今日も定時で上がることができて、まだ仕事をしている人たちに小さく挨拶をして席を立つ。

一人だけ定時って、なんかやっぱ気を使うなぁ。
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