春色の恋−カナコ−[完]
部屋を出てタイムカードを押していると、後ろから足音が聞こえてきて。

「浅野さん、ごめん、ちょっと待ってくれる?」

藤井さんの声に振り返ると、にっこち笑った彼女が追いかけてきて。

笑顔だけど…私何かやったかな?なんて不安になってしまう。

「帰るところ、ごめんね。今週の金曜日なにか予定あるかしら?」

「え?いえ、特には…???」

何があるのか、ちょっとだけどきどきしてしまう。

金曜日はとくに予定はないけど、ひょっとして河合さんに会えるかな?なんて。

でも、忙しいようだし、期待はしないようにしているけど。

「よかった!あなたの歓迎会をしたくて」

「え?」

思いもよらない言葉に、ちょっとうれしくて。

思わず顔が笑ってしまった。

「ふふ。じゃあ、金曜日空けておいてね」

「あ、ありがとうございます」

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