春色の恋−カナコ−[完]
お酒を飲んで、最終バスに乗り過ごしたときくらいしか迎えを頼まれないのに。

今日はいつもよりも早いくらいの時間だった。

『あと、夕飯何?もう一人分追加できる?』

おにいちゃんの言っている意味が分からなくて。

でも、すぐにそれは嬉しい言葉で解決できた。

『コウスケも一緒だから、よろしくな』

「うそ!どうしよう、何時頃?」

夕飯は何とかなるけど、掃除しなきゃ!

電話を切った後、駅に着く時間がわかり次第メールしてもらうことにして。

あわててリビングを片付け、掃除機をかけた。

週末に掃除機をかけたきり、目立つ汚れを時々掃除しただけできちんとした掃除をしていなくて。

どたばたと掃除をし、携帯を見るとおにいちゃんからメールが届いていて。

「あと30分・・・」

ふと自分の姿をみて、あわてて着替えて出かける準備をした。

玄関にあるおにいちゃんの車のキーを持ち、少し早目に家を出て。

「正解だったわ」

案の定、帰宅ラッシュで駅までの道は混雑中。

いつもならすぐに付いてしまう駅だったけど、いつもの倍くらい時間がかかってしまった。

駅前のロータリーに着くと、すでにおにいちゃんと河合さんが待っていた。

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