春色の恋−カナコ−[完]
河合さん、やっぱスーツもかっこいい。

自分の兄だけど、おにいちゃんも背が高くてかっこいいと思う。

こうして二人が並んでいると、すごくなんていうか・・・絵になる。

「カナコ、ありがとう」

車から降りた私をみて、おにいちゃんが運転席側へやってきた。

「運転変わるよ」

「おかえり、おにいちゃん」

後部座席のドアへ移動するときに、うれしそうな顔をした河合さんと目が合って。

「お疲れ様です」

なんだか照れくさい。

きっと、顔が赤いであろう私を見て、河合さんはくすくす笑っていた。

「急に押しかけてごめんね」

先に車に乗り込んだおにいちゃん。

気を利かせてくれたのかな。

「いえ、大丈夫です」

私も会いたかったからうれしいと素直に言えればいいのに。

恥ずかしくて、そんな言葉を発することができなかった。

「会いたかったから、来ちゃったよ」
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