春色の恋−カナコ−[完]
車をはさんでお互い反対側に立っている私たち。

手は届かないけど、やさしい言葉が私を包んでくれる。

「私も、会いたかったです」

言えた。

河合さんにつられて、会いたかったって言えた!

恥ずかしいけど、自分の気持ちを伝えることができて。

私は後部座席に乗り込み、河合さんは助手席に乗り込んだ。

ひそかに隣に・・・なんて、さすがにおにいちゃんがいるからそれはそれで恥ずかしいし、無理だよね。

途中、コンビニでお酒などを買い、帰宅。

私はキッチンで一人夕飯前のつまみを用意して二人に出し、それから夕飯の支度を始めた。

ほぼ出来上がりに近い状態だったものに、もう一品おかずを追加して量を増やして。

出来上がったものをきれいに並べ、先に飲んでいたおにいちゃんたちと一緒に食べた。

「今夜は泊めるから」

「えっ?」

食事も終わりに近い頃、おにいちゃんに急に言われて。

え。泊める…って河合さんがうちにお泊まり!?

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