春色の恋−カナコ−[完]
初めて会った日にも一度お泊まりしているけど、そのころは付き合っていたわけでもなんでもなくて。

なんだか急にそんなこと言われても、困ります!

「よろしくね、カナコちゃん」

河合さんににこやかに言われたけど、もう決定ってことなんだよね。

ああ、どうしましょう。

部屋だって汚いし…。

「カナコ、俺の部屋で一緒に寝るから」

「へ?」

あ、そ、そうですよね!

まさか私の部屋で河合さんと一緒になんて、あり得ないですよね!

一瞬、パニックになりながらもとんでもない勘違いをしてしまったことが恥ずかしくて。

一気に赤くなってしまった顔を両手で覆いながら、あははと乾いた笑いでごまかしてみるけど。

呆れた顔をしているおにいちゃんの横で、河合さんがくくっと声を押し殺して笑っていて。

ひゃー!もう恥ずかしすぎる!!!

ほとんど食べ終わっていた自分の食器をあわてて下げるためにキッチンへと向かう。

後ろで、笑っている河合さんと、おにいちゃんのため息。

もー。

勘違いだけど、恥ずかしい!

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