春色の恋−カナコ−[完]
「おにいちゃん、お昼ごはん冷蔵庫に入れといたから!」

「ああ、ありがとう」

中からキーボードをたたく音がかちゃかちゃ聞こえてきて。

休みの日でも仕事を持ち帰ってくることのあるおにいちゃん。

今日もお仕事なのかな。

自分の部屋へ戻り、出かける準備をすることにした。

といっても、鞄を持てばもういつでも出られるんだけど。

鏡に映る自分を見て、服装をチェックして。

「かわいい、かな」

普段、ここまで自分の服装が気になることってないんだけどな。

髪形もいつもより少しだけ気合いを入れたし、荷物もオッケー。

いつでも出られるんだけど…。

携帯をチェックしても、まだ時間には少し早いし、河合さんからの連絡もない。

約束の時間5分前に、玄関のインターホンが鳴って、河合さんかも!とあわてて階段を降りそのまま勢いで玄関を開けてしまった。

「はは。おはよ、カナコちゃん」

せっかくセットした髪形も、少し乱れちゃったけど。

「おはようございます、コウスケさん」

おにいちゃんよりも先に出ることができて、ちょっとだけ安心した。

「よぉ、コウヘイ…お兄さん?」


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